芸高と総芸と!

今年度より、芸高と都立総合芸術高校の両校にてピアノの生徒と向き合えるようになりました。
たまたまご一緒した都立総合芸術高校(以後、総芸と略します)の先生にお誘いを受けたのですが、
これは、私にとってかけがえのない、素晴らしい機会となりました。

同じ志を持つ生徒さんたちが学ぶ、選ばれた先生方による公立音楽学校として比較されますが、
何回か専門のレッスンをしてみて雰囲気が全く異なるのに驚きました。
先生方の実力やご経歴は、それぞれ素晴らしい方ばかりですが、
生徒さんからの反応はかなり異なります。
ところ変われば。という言い方がありますが、
教育とはつくづく難しいし、責任の重い仕事だと改めて感じました。

総芸では、美術やダンスの専門もあり、
玄関を入ると大きな石彫が目に入ります。
美術館並みに高い天井を囲う壁には、生徒の100号油絵力作が30作程度かけられ、
まさに芸術高校としての風格あるものです。

また総芸の音楽ホールは音響が素晴らしく、
歌科や弦楽器科の演奏に相応しいヨーロッパタイプの音響デザインです。
建物もちょっとパリ高等音楽院(音楽博物館含む)に似ていて、
懐かしくも羨ましい雰囲気です。
もっとも伺ったら、建築デザインとしては他のコンセプトもあったようですが。

一方、芸高では、201ホールというものがありますが、
基本的に練習ホール(リハーサルホール)というコンセプトで、
オケの練習にも、小さな演奏会にも使えるという多目的ホールとなっています。
一年に一回のオーケストラと合唱を演奏する定期演奏会や、
卒業演奏会に相当する公開実技演奏会では、大学の奏楽堂を使わせてもらっています。
奏楽堂は、朝、昼、晩と3演目異なる上演を行うこともあるくらい繁忙なホールとなっているため、
年間としてはあまり使える状況ではありません。
定期演奏会もリハーサルは演奏会当日の午前中に行わざるを得ず、
その中で、邦楽、オーケストラ作品、合唱を伴うオーケストラ作品と少なくても3セットの場を作るため
かなり制約のある状況で上演をしています。

レッスンや練習室の状況も異なりますが、
それぞれの先生方が最大限の配慮をされ、頑張っているのを見ると、
改めてそこに関わる責任を感じました。

いままで、大学の学生が多かったところ、
大きな変化をする高校生時代に関わることの重大さは、
自分自身が一番感じているので、
厳しくするのか、優しくするのか悩んでおります。
どちらがよいでしょう?


投稿日

カテゴリー:

,

投稿者: